長崎市における少年の殺人事件に関する報道に対する緊急提言 2/3
1.
アスペルガー症候群および高機能広汎性発達障害が犯罪に絡む可能性は非常に低く、これは例外的な事件である。もとより子どもの起こす犯罪や殺人事件はそのものが子どもの未熟性によって、説明が困難な飛び抜けた事件になることが多い。その意味ではこれらのハンディキャップを抱えた青少年による事件も、それ以外の子どもの生じた事件と同一である。
2.
わが国において、高機能広汎性発達障害を持つ青少年によって生じたとされる殺人をはじめとする重大な犯罪が、この数年の間に何件か生じていることは事実でありそれを否定することは出来ない。だが、この様な場合はいずれも<未診断、未治療>であり、診断を受け治療教育を受けてきた青少年においては、犯罪や触法行為は極めて例外的である。従って、もっとも確実な予防法とは、このグループの児童・青年について、早期に診断がなされ、きちんとした治療が行われることである。
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